ニュージーランドのお天気

ここのところずっと天気が悪いクライストチャーチ。昨日までの1週間で日が差したのはわずか6分という記録も出ているだけあって、人と話すネタもコロナよりも天気になってきました。

旅行での心配事のひとつとして、お天気があげられるのではないでしょうか?
特にニュージーランド旅行では、お天気ひとつで見る景色が変わってきますし、旅の印象も左右されがちです。

いつも天気との戦いだったトレッキングガイド経験者の私が、ニュージーランド旅行という視点で、この国のお天気のお話をしてきたいと思います。

地域によって気候が様々

ニュージーランド旅行をされる場合は、たとえ短期の旅行でも一か所に留まることはないと思います。しかしニュージーランドが小さい島国で、日本と似たような印象を持たれているのか、気候や天候をこの国で一括りにされがちなような気がします。

たとえば、朝クライストチャーチを出発し、マウントクックへ移動するような場合、朝快晴だから、雨具をスーツケースにしまってしまう方。マウントクックが大雨で、バスのトランクをからスーツケースを取り出して、傘を出す方は少なくありません。

ちなみに、クライストチャーチの年間降雨量は650mm程マウントクックは4000mm以上。これを知っていると、クライストチャーチの朝の天気で、マウントクックの天気を決めてはいけないことが分かります。

南島の気候は?

このブログでは、あえて日本人旅行者の多い、南島に関してのことを書かせていただきます。南島を北部、南部、西海岸、東海岸、そして山間部と簡単に分けると理解しやすいと思います。

東海岸;クライストチャーチ、ダニーデン
西海岸;ミルフォードサウンド、フランツジョセフ
北部;ネルソン、マールボロ地方
南部;クイーンズタウン
山間部;マウントクック
内陸地帯;テカポ

下の図の通り、南島には西海岸よりにサザンアルプスが南北500kmに跨って背骨のようにそびえ立ち、南島を東西に分断しています。タズマン海からの湿った西風(図の左からの風)が吹くと、サザンアルプスに衝突します。

特に暖かく湿った北西からの風が強く、時計の針でいう8時40分の角度に傾いた南島に吹くと、サザンアルプスにほぼ垂直に衝突し、西海岸と山間部に多量の雨を降らせます。マウントクックやミルフォードサウンドが、世界有数の多雨地域と呼ばれるのもこの影響なのです。

湿った風が雨と変わり、その後空っ風となって東海岸に流れ込みます。そのため、テカポや、東海岸のクライストチャーチは降雨量が少ないのです。

一方、南極からの冷たい南風が吹くと、南島の角度から、東海岸にそのまま南風が流れ込んでいくのが分かります。そのため、冬の東海岸はどんよりとした天候が続き、湿った寒い冬となるのです。

過去のブログでも詳しく書いておりますので併せてどうぞ。
ニュージーランドの自然が美しい5つの理由(vol.1 ロケーション編)

一日のうちに四季がある

これはニュージーランド旅行で、添乗員さんや現地ガイドが話す鉄板ワード。とにかく天気が変わりやすく安定していません。皆さんの旅行期間中は、一年の平均気温などはあまり当てにならず、その日の天気が気温を左右すると断言いたします。

クライストチャーチが雨で、マウントクックが晴れていれば、標高が高く、緯度も高くなりますがマウントクックの方が暖かくなることもあります。あくまで天気次第。もっと詳しく言いますと、風がどこから吹くかで気温が決まります

この風も厄介で、一日のうちで南から吹いたり、北から吹いたりとコロコロ変わることがあります。温度差が激しいですので、風向きが変わるとすぐに分かるほどです。

よくあるご質問「着るものは何が要りますか?」ですが、季節が反対のニュージーランドですので、イメージがわかないかと思いますが、こちらの真夏(12月中旬〜1月)以外は、冬の服装を持ってきた方が良いとアドバイスしたいと思います。

過去のブログでも詳しく書いておりますので併せてどうぞ。
ニュージーランド旅行のベストシーズン

天気予報は当たらない?

これも鉄板ワードです。しかし、これだけテクノロジーが進んだ今日。天気予報かなり当たってきました。いや断言します。ほとんど当たっています。それでもまだ当たらないと思うのは、日本での天気の感覚が抜け切れていないのかもしれません。

「一日のうちに四季がある」と似ていますが、「一日のうちに全ての天気がある」と言っても過言ではないニュージーランドの天気。「雨が降る降らない」で捉えがちの日本の天気予報と違い、ニュージーランドは「どのように天気が変わるか」という視点で見る方が正しい見方だと思います。

もし降水確率(1mm以上の雨が降る確率)というものがニュージーランドの天気予報にあったら、ほとんど全ての場所で毎日100%に近い確率になっているかもしれません。
日本の天気予報サイトでニュージーランドの天気を見ると、ほとんど雨マークというのも、このような感覚の違いなのかもしれませんね。

傘をささないニュージーランド人

これも南島のニュージーランド人のお話です。北島の方すいません。
日本人なら常識的に誰でも傘を持っていますが、南島の人たちは雨が降っても傘を差す姿をあまり見ません。

私の住むクライストチャーチはそれほど雨が降りませんし、降っても小振り程度。濡れてもすぐ乾きます。それ以上にキウイ(ニュージーランド人)は雨に濡れても気にしないようです。(何回も聞いたことがある)

では雨の多い地域はどうなのでしょうか?私は8年間多雨地帯のマウントクックに住んでいました。答えは「傘が使い物にならない」です。山間部の雨の降り方は、まさに横殴りの雨。暴風雨で傘は壊れますので、レインジャケットが雨具となるのです。

皆さんの南島でのご旅行中に、雨降ったとしても傘はあまり役に立ちませんので、レインジャケットを雨具としてご準備されることをおすすめします。ハイキングなどのアウトドアアクティビティをされない方は、日本のコンビニで売っているカッパでも十分です。

意外ですが、ニュージーランドを含め世界じゅうのお天気マークで、雨の日のマークが傘って少ないんですよね。日本は昔から雨マークは傘ですね。

マウントクックで8年間育った私の娘が、梅雨時に日本へ帰省したときに言った言葉。
「トトロのバス停みたいに雨が上から降ってる!」

私が奨めるニュージーランドの天気予報サイト(英語)
Met Service (ニュージーランド気象庁のような定番サイト)
yr(ノルウェーのサイトですがとても見やすく精度が高い)

コメント

タイトルとURLをコピーしました