ニュージーランドの自然が美しい 5つの理由 (vol.1 ロケーション編)

なぜこんなにニュージーランドの自然は美しく人々を感動させるのでしょうか?
他にも素晴らしい自然の国はありますが、ニュージーランドは他の国とは何が違うのでしょうか?

エリア紹介やランキングなどは他サイトでもありますので、当ブログでは別の切り口で、コラム風にニュージーランドの自然について深く迫ってみたいと思います。

世界各国65カ国以上を訪れた私が、なぜニュージーランドの自然がこれほど素晴らしいのかを、5つの理由から検証してみました。

1;ニュージーランドのロケーション
2;ニュージーランドの自然史
3;島国のニュージーランド
4;人々の自然への意識
5;人口が少ない国

今日はこの中の「ニュージーランドのロケーション」をテーマに進めていきたいと思います。

Wikipediaより抜粋

地球儀を眺めてみる

ほとんどの方のニュージーランドの位置のイメージは、「日本のほぼ真下(南)で、そばにオーストラリアがある」だと思います。日本を中心に描かれたメルカトル図法の地図に見慣れた私たちにとっては、このように映るのかもしれません。

ここで地球儀を使って、ちょっと別の角度から眺めてみると、意外な発見に気付きます。日本とアジア大陸ほど、ニュージーランドとオーストラリアは近くありませんね。距離にして2000km以上あります。(ちなみに福岡〜上海が約880Km)
そして、よく南極に近いと言われますが、南極までは約3800kmもあります。
上の地球儀を見ても分かる通り、その他に大陸や大きな島はなく、南太平洋の小さな島々以外は、周辺はほとんど海しかありません。

ニュージーランドは、とてつもない大海原にポツリと浮かぶ島国ということがわかります。私のガイディングでは「広い露天風呂に浮かんだ石鹸箱のような島」って行っていますが、例えがいいかどうか…

風と海流の交差点

seafriends.org.nz より抜粋

ニュージーランドの緯度は南緯40度前後で、南極と赤道のちょうど真ん中あたりに位置しています。そして周りには大陸がなく海に囲まれていますので、大気の流れや海流の影響をとても受けやすい環境となります。

上の図は海流を示したものですが、赤道付近から南下した暖流と南極海から北上する寒流がちょうどニュージーランドでぶつかり合うの分かると思います。大気の流れもこれに似たように、様々な方角からの風が衝突し合う位置にニュージーランドがあるのです。天候が変わりやすく、風向きひとつで急激に気温が上がったり下がったりするのはこのため。日本のように大陸が近くに無いため、大気も安定した流れが作られにくい環境でもあります。

ローリング40

おまけに、南半球には陸地がとても少なく、地球儀を南極を中心に下から眺めると、南半球はほとんど海というのに気づきます。南緯40度あたりの偏西風は、北半球に比べ、陸地が少ないために、とても強い風が吹き荒れています

ローリング40(吠える40度)と呼ばれるこの偏西風と赤道からの暖かい北風が、タズマン海で嵐を起こし、ニュージーランドの西海岸に多量の雨を降らせます。これがウエストコーストやフィヨルドランドの広大な温帯性雨林地帯を作り、また南からの冷たい風と共に、サザリー呼ばれる寒気を運んだ結果、サザンアルプスに氷河を生み出したとも言えます。

プレートの境界線

The Encyclopedia New Zealand から抜粋

また、ニュージーランドは地殻変動によってできた島で、二つのプレートの境界線上に位置しています。東側が太平洋プレート。西側がインド・オーストラリアプレート。このプレートの境界線が、北島の東海岸沖から南島を真っ二つに縦断しているのが上の図でも分ります。

境界線の脇のホットスポット(マグマ溜まり)にある北島は、日本列島に似た構造なので、同じように火山温泉があるのが納得できます。タウポやロトルア周辺の湖の造りは、田沢湖や猪苗代湖などの日本の湖とよく似ていますし、富士山のような円錐形のタラナキ山もあります、ロトルアの地熱地帯も、箱根や別府などとよく似ています。緯度も同じ位なので日本の自然に似ているのが特徴です。

一方、南島はプレートの衝突でサザンアルプスが形成され造られた島。そのため形も縦長で、南北に500kmもの大山脈を形成しています。北西からの湿った風が、屏風のように切り立ったサザンアルプスに阻まれて雨雲を作り、ウエストコーストや山間部では多量の雨と雪を降らせます。特に南緯43度以南は氷河の影響を大きく受け、日本ではほとんど見られない地形を形成し、ダイナミックな山々と、テカポやプカキのような独特の青い氷河湖も造られました。

南北に長い国

最北端の南緯34度から、最南端の南緯47度まで、日本と同じように南北に長い島というのも、多様性に富んだニュージーランドの自然の特徴です。日本と比較すると、北緯34度は紀伊半島や四国ぐらいの位置、北緯47度は北海道を超えて南樺太ほどの位置になります。

北島は比較的温暖で、南島は南へ行くほど寒くなっていきますので、小さな国ですが様々な気候があるのも特徴です。

この様に、世界でも稀な位置関係で、南北に長く、バラエティに富んだ厳しい自然環境があるからこそ、美しい自然環境が生まれたんですね。

ニュージーランドの自然が美しい理由はまだまだあります。
次は、二つ目の理由「ニュージーランドの自然史」についてご紹介していきます。

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