ニュージーランドの自然が美しい 5つの理由(vol.5 人口が少ない国編)

なぜこんなにニュージーランドの自然は美しく人々を感動させるのでしょうか?
他にも素晴らしい自然の国はありますが、ニュージーランドは他の国とは何が違うのでしょうか?

エリア紹介やランキングなどは他サイトでもありますので、当ブログでは別の切り口で、コラム風にニュージーランドの自然について深く迫ってみたいと思います。

世界各国65カ国以上を訪れた私が、なぜニュージーランドの自然がこれほど素晴らしいのかを、5つの理由ら検証してみました。

1;ニュージーランドのロケーション
2;ニュージーランドの自然史
3;島国のニュージーランド
4;人々の自然への意識
5;人口が少ない国

最後を締めくくるのは「人口が少ない国」について。
わずか500万人足らずのニュージーランドの人口が、自然を守っていくためにどれほどメリットがあるのか?日本との比較も交えながらご紹介いたします。

1㎢あたりの人口密度の比較

なぜ人口が少ない?

ニュージーランドの人口は、2020年4月現在、約480万人。日本の国土面積の70%ほどの大きさの土地に、福岡県民の人口ほどしか住んでいません。

ちなみに羊の数は3000万頭。かつては8000万頭いたとも言われています。そんなニュージーランドですが、そもそもなぜそんなに人口が少ないのでしょうか?

一つ目の理由として、人が住み始めてからの歴史が浅い、が挙げられます。自然史の投稿でも紹介しましたが、もともと人が住んでいなかった島でした。イギリス人が開拓してから200年も経っていません。

二つ目の理由は、移住するには遠いニュージーランド。今でこそ飛行機で飛んで来れますが、開拓時代のイギリス人は、3ヶ月以上もかけて、地球の裏側のニュージーランドに船でやってきました。ニュージーランドに到着する前に、大きなオーストラリア大陸があったのです。わざわざその先の小さいニュージーランドにやってきた人たちは少数派だったかもしれません。

三つ目の理由は、開拓するには厳しすぎる自然環境。北島は温暖でアクセスやすい島ですが、南島は海岸線から少しでも内陸に入ると不毛の地と峻険なアルプス、そして入り込むと出られなくなるような温帯性雨林のジャングルが西海岸に広がっています。クライストチャーチやダニーデンなどの海岸沿いの街以外に開拓しづらかった歴史があります。

北島と南島の人工比較
Stats NZより抜粋

上の図をご覧いただいてもわかるように、人口は北島の方が圧倒的に多く370万人南島には3分の1の110万人のみにとどまっています。

オークランドには全体で160万人ほどが住んでいますので、ニュージーランドの人口のなんと3分の1がオークランドとその近郊に集中して住んでいることになります。

人工分布図
Stats NZより抜粋

上の図では、南島には一部の海岸線に人口が集中していて、内陸の人口が少ないことがわかります。また、人が全く住んでいないところが多いのにも気付きます。南島の人口は仙台市ほど。南島最大のクライストチャーチは品川区ほどの人口しか住んでいません。

人口が少ないとどうなる?

人口が少ないと、当然人から自然へのインパクトが少なくなるのは簡単に理解できます。都市が少なく、小さくなると、自然にダメージを与えて開発しなくてもよくなります。人々の移動も少ないために、道路もあまり作られなくなります。人々の活動規模が小さくなるということは、それだけ使われるエネルギーも少なくて済むことになりますね。

例えば、ニュージーランドの電力消費量は日本の25分の1。60%を水力発電でまかなっています。原発が無い国と言われますが、アンチ原発のイデオロギーからというよりは、そもそも必要ないというのが、原発が無い大きな理由かと私は思います。

電力消費量が少ない理由のひとつとして、大きな工場地帯がほとんど無いことが挙げられます。ニュージーランドの主要産業は農業と観光業。自動車の製造工場すら無い国です。産業用に使われる電力消費料は全体の40%程になる日本と比べると、ニュージーランドがいかに少なくて済むかが分かりますね。

ちなみにニュージーランドの電力は、その82%を自然再生エネルギーでまかなっています。2025年までに100%にするという目標もあります。日本はまだ17%。人口が多い日本はニュージーランドのようにはいきませんが、その差は大きいですね。

工業地帯がほどんど無いということは、海岸線も自然のままのところが多く、公害問題もあまり起こりません。人があまり住んでいないところでは、河川の護岸工事などの自然災害対策の工事をしなくてもいいので、自然のままの姿でいられます。

シンプルライフ

人口密度の大きい日本と、小さいニュージーランドの両方で生活すると、人口の差から様々な違いを感じます。この大きな違いがあるから、この国に住んでいると言っても過言ではありません。

広いスペースを使って生活できるということは、人々が密集しないために、自然対するインパクトが小さくなります。
競争社会になりにくいので、人々の生活のペースがゆったりとするので、高回転なエネルギーを使う必要もありません。
与えられるモノや情報も少ないので、自分で工夫した生活になります。

そうした無駄のないシンプルな生活になるので、必要なエネルギーを最小限に抑え、今あるもを大切にする習慣が生まれるのかもしれません。それが自然と自分の周りの環境を大切にしようとする、自然と調和した生活に直結していくのではないのかなと思います。

ここまで5回の投稿に渡って、なぜニュージーランドの自然が美しいかを紹介いたしました。全て読んでいただいた方は、本当にありがとうございました。

しかし、百聞は一見に如かず。またニュージーランド旅行ができる時が来ましたら、是非皆さんの目でニュージーランドの大自然の美しさに感動してみてください!

もし、皆さんのニュージーランド旅行にお役に立てられた光栄です。私と一緒にニュージーランドの旅を楽しみたい方はこちらへどうぞ!

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