ニュージーランドの自然が美しい 5つの理由(vol.3 島国編)

なぜこんなにニュージーランドの自然は美しく人々を感動させるのでしょうか?
他にも素晴らしい自然の国はありますが、ニュージーランドは他の国とは何が違うのでしょうか?

エリア紹介やランキングなどは他サイトでもありますので、当ブログでは別の切り口で、コラム風にニュージーランドの自然について深く迫ってみたいと思います。

世界各国65カ国以上を訪れた私が、なぜニュージーランドの自然がこれほど素晴らしいのかを、5つの理由から検証してみました。

1;ニュージーランドのロケーション
2;ニュージーランドの自然史
3;島国のニュージーランド
4;人々の自然への意識
5;人口が少ない国

次は3つ目の「島国のニュージーランド」について。
よく海外旅行先で比較される、カナダやスイス、北欧などの自然との違いは、この国が大陸の一部ではなく、島国というところです。

ミルフォードトラックの森

侵入者がいなかった島

約8000万年もの島の歴史を見ると、たったの1000年前にマオリ族という侵入者がやってきました。それまで約7999万9千年もの間、一部の海洋動物や渡り鳥以外は全く侵者がいなかった歴史が、ニュージーランドのユニークな自然環境のベースとなっています。

ニュージーランドの他に、独特な生態系を持つ島として世界自然遺産にも指定されているガラパゴス諸島や小笠原諸島などの挙げられます。もし、ニュージーランドが未だに無人島だったら、きっと島全体が巨大な世界自然遺産になっていたに違いありません。

そのため、競争が少なく、進化のペースが遅いので、古い生態系が未だに残されている世界でもとても貴重な自然の宝庫なのです。

世界で唯一がいっぱいの島

独特の生態系が維持されていたため、世界でニュージーランドでし存在しない貴重な動植物が見られるのも特徴です。

森林を覆う木々の多くはニュージーランド原生種のものが多く、他の国では見られないものがたくさんあります。しかも他では遥か昔になくなってしまった旧型のものが多く、太古の森を感じさせてくれるの理由となっています。

観光客にも人気の高山植物も、そのほとんどがニュージーランド原生種。最も有名なマウントクックリリーは、世界最大級のキンポウゲ科で、世界でニュージーランド南島のサザンアルプス、標高700−1500mの場所にしか見られない貴重な高山植物です。

マウントクックリリー

ニュージーランドの花の80%(ガーデンなどの園芸種は除く)は、世界でニュージーランドのみで見られるとも言われ、花に興味がある方にとっては、レアもの宝庫とも言えますね。

ほとんど哺乳類がいなかったニュージーランドは、鳥の楽園とも言われていますが、植物ど同様に、鳥達もとてもユニーク

Photo by Stuff

国鳥のキウイバードは、飛べない鳥の代表格。見た目や動きはまるで哺乳類。卵巣が2個あったり(鳥類は通常1つのみ)、妊娠期間が長かったり、生まれた雛は親と同じ見た目だったり、骨が髄まで満たされていたりなど、様々なところで哺乳類と似ています。他の国での哺乳類の役割のひとつを、ニュージーランドでは、キウイバードが担っていたのが面白いですね。

鳥たちも植物と同じように、世界でニュージーランドでしか見られないものが多く、しかもユニークな生態をしていますので、鳥好きの方、バードウォッチャーにはたまらない国なんです。

独特の気候と立地条件

©️Royal Albatross Centre

「ロケーション編」でも紹介しましたが、同じ島でも、ニュージーランドは大陸から遠く隔離された場所にありますので、普段が人間がなかなか出会うことができない海洋動物や、希少種のペンギンなど生息しているのも特徴です。

世界最大級の鳥、ロイヤルアルバトロスは、ダニーデン近郊のオタゴ半島の先端、タイアロアヘッドを生息地にしていますが、人が住んでいる島で生息地にしているのは世界でニュージーランドだけと言われています。

また、イエローアイドペンギンフィヨルドランドクレステッドペンギン、世界最小のリトルブルーペンギンのペンギン3種は、ニュージーランドでしか見られない種類。

カイコウラに生息するマッコウクジラも、世界中のホエールウォッチングでは珍しい種類ですし、アカロア湾などでよく見られる世界最小のヘクターズドルフィンも、世界でニュージーランドだけに棲むイルカです。

守ってあげないとけない

周りを海で囲まれ、周りから隔絶された自然環境。競争がなく進化もゆっくり。まるでジュラシックパークの映画ストーリーのような島です。ガラパゴスや小笠原が世界自然遺産に指定し、大切に保護しているのは、島の固有種を外来種から守るため。ニュージーランドも全く同じ状況下に置かれています。

私のガイドトークでは「ニュージーランドはコンピューターで言えばWindows95。他の大陸はアップデートを重ねに重ねた最新モデル。最新のウイルスに犯されたらWindows95はすぐに壊れてしまいますね。なので守ってあげないといけない」とお話ししています。
自然はコンピューターと違って、簡単にアップデートできないんです。なのでウイルス(=外来種)が入らないように守ってあげないとけないんです。

ウイルスという言葉はまさにタイムリーですが、ニュージーランドの自然は、1000年前にマオリがやって来てから、その後イギリス人の入植を経て、常にパンデミックとの戦いなのかもしれません。

今私たちが新型コロナウイルスと戦っているのは、世界中の自然の危機的状況と同じような試練を体験し、これからに未来に対してどのような行動をとっていかなければならないかを考える機会を、天の神様が与えてくれているのかもしれません。

そして「人間たちよここでちょっとひと休みしろ。その間にデトックスしておくからな」と地球が言っているような気がします。

では、ニュージーランドはどのようにこの自然を守っているのでしょうか。
次回は「人々の自然への意識」をテーマにお届けします。

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