クライストチャーチの失われた10年 後編

コロナ禍を乗り越えて

まれ変わったクライストチャーチ
なる観光都市からハブとなる滞在都市へ

・生まれ変わったクライストチャーチ

「世界で最もイギリスらしい街」というキャッチフレーズは今は昔。古い建造物は少なくなり、モダンアートな建物が多く、復興後の新しい街づくりを肌で感じる街となっています。特に地震被害のあった日本から見ると、また違った目線で何かを感じていただけるのではないでしょうか。

古き良きものを大切に敬い、未来に向かって新しいものを一から作り上げていく様を、街を歩きながら感じていただきたいなと思います。

街の様子が新しくなると、人々の暮らしぶりや文化も新しいものへ変わっていく感じがします。新しいものや違いを受け入れ、変化に柔軟なニュージーランドのカルチャーを、いま最も感じられるのはクライストチャーチなのかもしれません。

・単なる観光都市からハブとなる滞在都市へ

以前は、ニュージーランド旅行のスタート地点、もしくはゴール地点としての役割のイメージが強かった街でした。「観光都市」とは言われていましたが、やはりメインはあくまで、テカポ、マウントクック、クイーンズタウン、ミルフォードサウンドだったような気がします。

以前のブログでも書きましたが、クライストチャーチは短時間の「観光」するために訪れてもそれほどインパクトはありません。ゆっくりと暮らすように滞在することで、他の観光地とは違い、ニュージーランドローカルの暮らしぶりや文化が見える旅ができる街なのです。

点と点を線で繋ぐ高速移動の旅ではなく、『じっくり留まってゆっくり花が開くように滞在感を感じる旅』。アカロア、アーサーズ・パス国立公園、トランツアルパイン鉄道、カイコウラ、そしてテカポも、クライストチャーチから日帰り圏内。

宿はホテルではなく、キッチン付きのモーテルやアパートメントがおすすめ。料金もそれほど変わりません。毎晩レストランで外食もいいですが、ローカルのスーパーで地元の食材を買って、宿のキッチンで料理してみるのも旅の思い出になりますね。

残念ながら、コロナ禍の現在、クライストチャーチの旅行情報を現地から日本語でお届けしているのは私くらいしかおりません。この街の存在感は、2011年の地震以降薄くなっているかもしれませんが、それは日本への情報が足りていなかっただけなのです。

この街の魅力はこの10年に薄れてしまったわけではありません。この10年余りの間に足りなかった現地情報の提供やアップデートをこれからも続けていこうと思っています。

いつかクライストチャーチへ日本からの直行便が飛んでくる日を夢見て…。

コメント

  1. Taka より:

    ’14末~16までNZにワーホリで滞在していた者です
    私の短いNZ生活ではありますがトータル半年ほど住んだ町が愛するクライストチャーチでした。
    海外のホームタウンはまず間違いなくCHCと考えています
    ふと懐かしくなってブログを搔い摘んで拝見しました。

    私も現在 日本で宿泊業に携わっております。リピーターを増やすのか新規顧客を開拓するのかが重要だと思います。
    それ以上に常々、観光業は常に観光資源に依存して商売が成り立っていてそしてそこに何かしらの不可抗力が発生した場合 その依存(ブログ主さんのおっしゃる所で言う日本の旅行代理店やクライストチャーチのハブとしての今まであった立地条件)からどう抜けるかを考える必要性や新しい魅力作りや魅力の発見の必要性を改めて感じました。

    日本に戻っている今でもしっかり覚えているのは
    私がCHCにいた時はほんとに旧市街地と言うか史跡名勝?関連は軒並み潰れて更地と化しておりましたがそれでもハグレーパークの桜は力強く咲いていました。
    街中にあそこまで大きな公園がありのんびりできる街はなかなかないと思います。

    当時、友人達と常々言っていたのはCHCは何もなくて退屈な街だけれど でもソコがいいよねと
    まぁ現地キウイにしてみれば怒られる案件かもしれませんし
    本当に何もないわけではないので魅力があるわけですが

    当時の私の周りには大好きな仲間がおりましたので思い出+αでクライストチャーチを贔屓にしてしまうかもしれません。

    とりとめの無い事を書き記しましたが
    NZでの生活色々と大変なこともあるかと思いますが楽しんでください

    CHCへいずれは帰郷したいのでその時はぜひお会いしてお話をぜひお伺いしたいです

    • New Zealand Tourism Creations New Zealand Tourism Creations より:

      Takaさん
      コメントありがとうございます。
      震災から11年が経ち、街はすっかり新しい姿になって生まれ変わっています。
      未だに痕跡が残ったところもありますが、それはそれで震災遺構として捉えています。
      またいつか帰って来られる気かがありましたら、きっと新しいクライストチャーチと変わらないこの街の良さがあってさらに魅力的に感じられると思いますよ。
      ぜひその際はお声がけください。
      Mitchy

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