ガイド付き旅行のススメ その1

変わっていく海外旅行

一昔前と違って、海外旅行がとても簡単にできる時代になりました。

今は、インターネットを使えば、旅行会社に訊ねないと得られなかった情報も簡単に手に入りますし、頼まないとできなかった手配も簡単に自分で出来てしまう世の中です。
しかも、今や個人旅行よりも旅行会社に頼んだ方が安くつく時代でもなく、旅行慣れした方は、自分で旅をクリエイトする楽しみも知っています。

ここまで読むと「旅行会社って必要なの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
まだしばらくは、団体旅行の手配や、グループパッケージツアーなどでは、まだまだ旅行会社が必要な時代は続くでしょう。個人旅行の方にとっても、日頃忙しく、手配などは旅行会社に任せて、現地での旅行に集中したいという方には、まだ必要なのかもしれません。

しかし私自身の考えでは、これまでの旅行業の形はもうなくなっていくだろうと思っています。

インターネットが普及して、個人旅行者向けに、トリップアドバイザーやBooking.comのようなOTA(オンライントラベルエージェント)が出現し、航空券だけでなく、現地の宿泊施設、オプショナルツアーなども簡単に予約できるようになりました。駅構内あるような旅行代理店や、カラフルなパンフレットをで集客する旅行会社にお世話にならなくても海外旅行ができるようになってきたのです。

一昔前の海外旅行は、旅行会社にお願いするといった、ある意味従属的な旅行だったのに対し、現在の個人旅行者は、自分自身で情報を集め、計画し手配までできるという主体的な旅行を楽しむ満足感に浸っているようにも思えます。

どこかもったいない個人旅行

ニュージーランド各地で、いかにも個人旅行という感じの旅行者に出会うことがよくあります。その度に感じるんです。「とても楽しまれてるようだけど、知らない事を知らないで終わってしまうもったいなさ」を。

マウントクックリリー

例えば、ハイキング中、足元にサザンアルプスにしか咲いていない貴重な高山植物があるのに、それを見過ごしてしまう。氷河地形の成り立ちのことを知らないので、フィヨルド景観の素晴らしさに今ひとつ感動しない。コーヒー好きな方なのに、フラットホワイトを知らないので、フィルターコーヒーばっかり頼んでしまっている。などなど。

旅行会社を通してツアーで旅行する利点は、添乗員や現地ガイドなどが、旅行者が知らないから知りたいと思うよりもずっと前段階で、様々な情報を与えてくれます。主体的に旅行しなくても、深く良質な情報が入っているようなシステムができあがっているんです。

以前はパッケージツアーで海外旅行をしていた方が、個人旅行にシフトしても、必要に応じて現地ガイドをつけてお願いすることが多いのは、その価値を知っているということなんですね。

昨今流行の旅ブロガーの記事などで(全てそうではないですが)、「この記事を読めば自分で全部旅行できてしまう!」的なメッセージがよく見られます。How toや体験談として読むのは面白い物も多いですが、なんか軽くて浅いものが多いんですよね。(あくまですべてではないです!)逆にパッケージツアーで訪れた方の、旅日記的なブログの方が深かったりします。

私がバックパッカーで世界中をまわっていた頃、すべて自分の力で旅をしている自分に酔いしれていました。今はなきシリアのパルミラ遺跡で、ひとりのんびりと旅情に浸っている時に、日本人団体客がどっと押し寄せ、短時間のうちに帰ってしまう姿を見て、「あんなの旅じゃない!ここでゆっくりパルミラの景色を見て古の人々を思うのが旅だ!」と優越感に浸っていました。

その後、今度は自分が添乗員になってお客様を連れてパルミラにやってきた時、現地ガイドの詳しい解説があったおかげで、かつてのあの頃よりも何倍も深い感動でこの遺跡を見ることができました。そしてあの頃の自分は若かったなと振り返ったものでした。

まったくガイドをつけない旅もいいですが、ガイドをつけると、旅の感動がまったく別物になるのです。良いか良くないかの話ではなくて、まったく別物になるというところがポイントなのです。

長くなってしまったので、今日はこの辺で。
次回は、素晴らしいガイドとの出会い、ガイドの選び方などをお届けします!
ガイド付き旅行のススメ その2

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