ニュージーランド旅行の落とし穴・日照時間編

「旅上手は太陽の動きを知っている」これは私が勝手に作った言葉ですが、時計ではなく太陽の動きを軸に旅のプランを立てると、もっと美しい景色に出会え、さらに無駄のない旅ができるはずです。

ニュージーランド旅行では、訪れる時期や場所の日照時間を把握していることが上手な旅の秘訣!現地ローカルの旅コーディネーターだからこそ知っている旅のコツと落とし穴をご紹介いたします。

季節によっての日照時間の差が激しい
・日照時間を知ることでをする事とは?
・日照時間を知らなくてしてしまう事とは?
日の出日の入りの時間が全てではない
一気に暗くなってしまう場所に注意

・季節によっての日照時間の差が激しい

「夏のニュージーランドは22時ごろまで明るい」とよく言われます。日本以上に季節による日照時間の差が激しく、実際に訪れてみないと体感できないことかもしれません。

例えば、テカポの夏至と当時の日の出日の入り時刻を見てみると。
夏至;日の出 5:50amごろ 日の入り 9:20pm過ぎ
冬至;日の出 8:13amごろ 日の入り 5:05pm過ぎ

これは、クリスマス前後の真夏に訪れると21時半まで明るく、6月下旬の真冬ですと16時半には薄暗く、朝は8時半ごろまで暗いということ。そして夏至と冬至の日照時間の差はなんと6時間も違うのです!(ちなみに東京は4時間50分の差)

また、緯度が高くなるほど(南へ行くほど)日照時間の差が激しくなります。
オークランド;夏至 14時間41分 冬至 9時間37分
クイーンズタウン;夏至 15時間29分 冬至 8時間53分

世界各地の日照時間をチェックするのはこのtime and dateがお勧めです。

・日照時間を知ることで得をする事とは?

では、日照時間を知っていると得する事はなんでしょうか?

例えば、夏のトレッキングなどのアウトドア・アクティビティをする方は、何時まで明るいかを知っておくと、長い1日を有効に使って活動することができます。ニュージーランド小屋泊まりのトレッキングをすると気付きますが、日の出と共に出発して午後3時までには到着という日本の常識は全く当てはまりません。朝はとてもゆっくりで、夕方18、19時に歩き終えることも珍しくありません。

これは通常の旅行でも同じことが言えますね。日照時間の長い夏は、明るい時間を有効活用して「たくさん楽しむ旅」「のんびり時間を使う旅」を上手に計画してください。

そして、日照時間を知るということは、夜の長さも知るということです。テカポなどでの星空鑑賞では、夜が長い冬の方がチャンスは大きいのがわかりますね。長ければ長いほど天候によるリスクも軽減されますし、深夜に無理して起きなくてもいいので、星空鑑賞はがお勧めなのです。

・日照時間を知らなくて損してしまう事とは?

真夏に星空鑑賞をする場合、22時ではまだ早いぐらい。真っ暗な夜空を見たければ0時を越えないといけないほど。ということは旅行中の睡眠時間が削られるのを覚悟しなくてはいけません。また5時には明るくなってしまうので、実際は5時間ほどしかチャンスがないのです。

逆に日の短い冬に旅行の計画を立てるときは、朝の出発と夕方の到着時間に気を配らないといけません。日本と同じ感覚で朝8時に出発すると、まだ当たりは暗く路面は凍結して危険な場合もあります。また、夕方遅く到着する予定を立てると、せっかくの美しい車窓風景がなくて真っ暗ということもありますね。

ある団体の秋〜冬期パッケージツアーで、クライストチャーチを14時半に出発し、テカポに17時半、マウントクックに19時に到着する旅程がありました。レイクテカポは真っ暗、レイクプカキもマウントクックも闇の中。翌日は雨で山は全く見えず…。日照時間を無視して行程を組んでしまった失敗例です。

あと、これは私なりの提言なのですが、ニュージーランドの朝焼けと夕焼けのマジックアワーの美しさは言葉にできない感動タイム。ガイドブックや旅行情報に紹介されいないことなので、案外無視されているのですが、ぜひこの時間を味わって欲しい。その時間帯に外が見えない場所での夕食や、入浴中ということのないように!旅上手のセンスはこの辺に出ますね。

・日の出日の入りの時間が全てではない

上記で詳細したサイトなどで調べられる日の出日の入り時間とは、地平線に太陽が沈む時間を示しています。しかし実際は複雑な地形で、場所によって日中でも日陰の時間が多いところもあることを気をつけなければいけません。

応用編として、その土地の地形を知って、日光が当たりやすい地形かどうか、山がどの方角にあるかなどで、実際の日照時間を予測することができます。

例えば、マウントクックの冬至の日の出は8:10過ぎ。日の入りは17:10ごろ。しかし山に囲まれたマウントクック村に、実際に太陽の日が当たるのは10時を越えてから、また山に日が沈むのは15時ごろ。わずか5時間しか太陽が当たらないのです。

ニュージーランドでは、日光が当たる場所と当たらない場所では、体感温度がとても違います。着るもの準備、写真などの撮影、道路状況などは、この本来の意味でいう日照時間に左右されることを知っておかなくてはいけません。

地形による日照時間が長い主な場所(南島だけですいません)
・ネルソン、クライストチャーチ、テカポ、ワナカ
山に囲まれて日陰が多くなる主な場所
・マウントクック、クイーンズタウン、ミルフォードサウンド

ニュージーランドは南半球ですので、北方向が開けた土地は日当たりが良くなることを覚えておきましょう。

・一気に暗くなってしまう場所に注意

日本の都市で生活していると、夜になって当たりが何も見えなくなるという経験はあまりないかもしれません。人工的な光が少ないニュージーランドでは、街でもひとたび日が沈むと一気に暗くなります。

私がマウントクックに住んでいる時に、日没間近にウォーキングし始める観光客に「もうすぐ真っ暗になるよ。懐中電灯がないと歩けないよ!」と何度も注意したことがあります。都市での感覚を引きずってしまうと遭難ということも考えられます。

レンタカーなどを運転するときも注意が必要です。ニュージーランドは郊外に出ると国道でも反射板のみ。街灯なんてありません。真っ暗な夜道に慣れていない方は日没時間を確認する必要があります。

いかがでしたでしょうか?大自然を満喫するニュージーランドの旅では、時計でなく太陽の動きに合わせてみてください。それだけで何か新しく素晴らしい発見や体験ができるはずですよ

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