私がニュージーランド移住を決めた理由

6;下見に来た時「ここだ!」と決めた

1〜5までは、移住先をニュージーランドと決める十分条件なのですが、いわばそれは表面的なもの。感覚的に恋に陥るようにニュージーランドに惚れ込んでしまう条件にはなりません。それを確かめてくて、移住先を決める為にニュージーランドに1週間ほど下見にやってきたことがあります。

初めてきた時の第一印象は、気候が良いでした。
初めて降り立ったのはクライストチャーチ。11月始めの春麗かな時、空気がカラッとしていて過ごしやすいという印象を与えてくれました。ガーデンシティのクライストチャーチは春の花で彩られ、とても印象が良かったのを覚えています。
日本と同じ四季がある国ですので、季節は反対ですが、気候が合わず暮らし辛いということがないというのも、日本人にとって住みやすい要因だと思います。

また、ニュージーランド人の対する第一印象もとても良かったです。
それまでプライベートでも仕事でも、一年の半分は海外で過ごしていた自分でしたが、ニュージーランド人の観光客に対する心の優しさは他のどの国にも負けていないと思いました。さすが観光立国なので外国人に慣れていますし、移民国家で英語が母国語でない人に慣れている人が多く、私の下手な英語でもちゃんと聞いてくれる方が多くてとても親切でした。

その下見旅行では、その後テ・アナウに3泊しました。そこでの出来事が、私にニュージーランドに住もう!と思わせてくれましたので、そのエピソードを少しお話しします。

テ・アナウでは、あいにく連日の雨に見舞われました。トレッキングが目的でしたので、どこにも行けずにYHAに入り浸っていたら、スタッフのひとりに「何でどこにも行かないんですか?」と聞かれたのです。私は「こんな雨の中どこにも行けないよ」と答えました。その返答に彼女は雨の日ほどフィヨルドランドの森が美しい時はないわ。こんな日に歩かないなんてもったいない」と言ってくれたのです。

しぶしぶレインジャケットを着込んで(立派なものを持っているのに使う気すらなかった…)ケプラートラックの入り口付近を散策していました。初めはただの森としか思えなかったのですが、誰もいない雨の森を独りで歩いていると、次第に雨に打たれた森の生き生きとした躍動感を感じるようになったのです。晴れた静かな森しか歩いたことがなかった自分にとって、眠りから覚めたかのような森の喜ぶ姿に感動したのです。

それまで幾度となく登山を経験して、山はたくさん歩いてきたつもりでしたが、それまでネガティブな印象でしかなかった雨の森が、こんなに素晴らしいものなんだと教えてくれました。思い込みや、良い悪いの基準で考えがちな私に、思い込みを捨て視点を変えると違ったものに見えると教えてくれました。

日本とニュージーランドとでは、山歩きの概念に大きな違いがあることを知りました。「山歩きは◯◯じゃないといけない」という決まり事が多い日本に比べ、ニュージーランドでは、楽しみ方はすべて個人の自由。「◯◯の方が正しい」という正誤の観点はなく、「自分は◯◯をして楽しむ」「◯◯の方が自分にとって良い」という思考が強い印象がありました。

外部からの情報で型にはまった考えの私に、自分の頭で考える自由という発想を教えてくれた出来事だったのです。ニュージーランド人のライフスタイルへのカルチャーショックはここから与えられました。

ニュージーランドのライフスタイルは、他人が決めた固定概念に縛らられることなく、自分のペースで人生を楽しむ。自分を取り巻くコミュニティーをとても大切にするが、それは、それぞれ個を大切にするという大前提の延長にあるもの。

多種多様な考えがあって、それをすべて尊重する国民性。個を大切にする文化だけでなく、実際に多民族、異文化が共存しているこの国の成り立ちからも、このようなライフスタイルになるのかもしれません。

7;人口が少ない

ニュージーランドに来てみると、日本に比べて、人と人の物理的距離が遠く、スペースを大きく使えることに気付きます。自然もダイナミックで、空も広い。人々が空間を大きく使えるので、閉塞感を感じない生活ができると思います。

また、ニュージーランドに似た国のカナダやスイスと違うところとして、人口の少なさだけでなく、ライフスタイルがシンプルで素朴。アメリカに近いカナダや、ヨーロッパの一部のスイスと違って、遠く離れた島国のニュージーランドは、都会的で近代的な部分があまりないところが、この国を選んだ理由のひとつです。

現在は人口わずか500万のニュージーランド。マイノリティーの集合体が、個人を尊重し、コミュニティーの結束を強くする要因なのかもしれませんね。

長々と書いてきましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
結局のところ、自分らしく生きやすい国なんだろうなと思います。
移住を検討している方、ニュージーランド旅行を計画されている型に少しでも参考になればと思います。

次回は、この続きとしまして、
「ニュージーランドを離れられない理由を書いてみようと思います。

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