5月29日は人類初登頂の日

エドモンド ヒラリーという人物をご存知でしょうか?

ご存知の方は、登山好きの方かニュージーランド通の方だと思います。1953年5月29日に、人類初のエベレスト登頂を成し遂げたニュージーランドの英雄なのです。

私がガイドトークでお話する、ヒラリー卿ネタの一部をここでご紹介いたします。

エベレストに初登頂した人はイギリス人と思っている方がとても多いそうです。それもそのはず、彼はイギリスのエベレスト登山の大遠征隊の一員として、登頂を果たしました。

現在では、あの世界の果てまでイッテQ!の企画でイモトアヤコが挑戦する程、たくさんの登山者がたどるネパール側の南東稜ルートですが、当時は誰も登頂したことのない未知領域でした。

初挑戦は1921年、かの有名な「なぜ、あなたはエベレストに登りたいのか?」と問われて「そこにエベレストがあるから(日本では『そこに山があるから』と言われています)」と名言を残した、ジョージ マロリーも参加していた登山遠征でした。

当時の情勢もあり、各国合計10回目の挑戦でイギリス隊が初登頂。なんと初挑戦から37年もかかったことになります。

北極点到達をアメリカ南極点はノルウェーに奪われたイギリスは、是が非でも、大英帝国の威信をかけ、第三の極地である地球の最高点のエベレストを取りたかったと言われています。

初登頂の遠征隊では、頂上への最終アタックはもちろんイギリス人の隊員でしたが、残念ながら直前の南峰で酸素不足のため撤退。その後、言ってみれば控えにまわっていたヒラリーとテンジンノルゲイが第二隊としてアタックし、見事初登頂しました。

登頂したときに彼らが山頂に立てた旗に、ニュージーランドの旗はなく、イギリス隊が初登頂というニュースが世界を駆け巡ったため、エドモンド ヒラリーがイギリス人と思っている人がいまだに多いそうです。

登山に詳しい方でなくとも、ニュージーランドに訪れたことがある方なら、ニュージーランドの5ドル紙幣で彼の顔を見たことがあるかもしれません。

左が新札で右が旧札(旧札も使われています)。山の形が違いますね。どちらもニュージーランド最高峰のアオラキマウントクックですが、旧札の絵の方はよくエベレストと間違えられるということがあり、一般の人にもわかりやすいアオラキマウントクックの絵に変えられたと聞いたことがあります。

彼の偉大な功績はエベレスト初登頂だけでなく、その後も様々な登山や冒険にチャレンジし、山や冒険の世界から一線を引いた後は、ヒマラヤの山岳少数民族のシェルパへの慈善事業に尽くしました。学校、病院などのインフラ設備に協力するなど、シェルパの生活が向上したのは、彼が立ち上げたヒマラヤ基金の協力が大きいと言われています。

登頂後、イギリス女王エリザベス2世からSir(卿)の称号を授与され、ニュージーランドでは、Sir Edと呼ばれ、きさくで飾らないザ・キウイ的なキャラクターが、とても親しまれています。

マウントクックのハミテージホテルには、2003年の登頂50周年記念に銅像が建立されました。私事ですが、2005年にこのヒラリー像のそばで結婚式をしたんですよ。

2007年には、ハミテージホテル内に、サー エドモンド ヒラリー アルパインセンターがオープン。銅像も現在の位置にいつされたのもこの時。

ヒラリー卿の偉大な功績が展示された資料館で、登山好きの方は是非訪れていただきたいです。あのイモトもエベレストに挑戦する予定だった直前に、イッテQの取材で来ていました。

2008年の1月に88歳で亡くなったため、残念ながらこのセンターに来られることがなかったのですが、ここでヒラリー卿の生前の活躍を感じらます。

上の写真は、クライストチャーチ空港にある超特大ポスター。彼の有名な写真と言葉。

「我らが征服するのは山ではなく、我ら自身だ。」

私が大好きな言葉です。

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